小さな自然と遊ぶ日々

豊かさに導く自然、私のひらめきの源     (クロード・モネ)

エフォートレス思考:もっとラクに、楽しく!

とにかくみんな忙しい。

デジタル化が進んで、スマホで瞬時にできることもたくさんある。便利になって、時短が可能になったように思うのに、前より忙しい。

「エフォートレス思考」(かんき出版)の著者グレッグ・マキューンも、忙しさの渦におぼれてしまった一人。グレッグは、世界的なベストセラーとなった「エッセンシャル思考」の著者です。

99%を捨てて1%に集中!より少なく、より良くの提唱者がバーンアウト?と思ったら、エッセンシャル思考の本の成功が超多忙を生み出していました。

そこから抜けるために、生み出されたのがエフォートレス思考。

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」、2023年「一番大切なことをもっと簡単にやる」ためのアプローチが説かれています。

風景, 自然, 熟考する, 反射, 名勝, 夏, 木, 静寂の中に, 地平線

頑張り過ぎな私たち

「走っても、走ってもゴールに近づけない」

「もっと成果を出したいのにエネルギーが足りない」

「2倍働いても半分しか進まないように感じている」

チャンスあふれる時代のはずなのに、多くの人が無力感を感じている。もっと頑張ればどうにかなる?頑張りが賛美される文化の中で、多くの人はむしろ頑張りすぎているのでは?というのが本書の問題提起です。

頑張らないから結果が出せる

ならば、限界を超えて頑張るのではなく、もっと簡単な道を選んでみてはどうだろう。頑張らないからこそ結果が出せる、エフォートレス思考とは?

  1. エフォートレスな精神:頭のガラクタを片付けて余裕のマインドを手に入れる
  2. エフォートレスな行動:最も効率のいいポイントを見つけて余裕で最高の成果を出す
  3. エフォートレスの仕組み化:行動を自動化し成果が勝手に付いてくる仕組みを作る

エフォートレスな精神

エフォートレスな精神、行動、仕組み化、いずれも具体的で示唆に富むアドバイスにあふれています。

なかでも、年明けすぐに取り入れたいのが、エフォートレスな精神。

「肉体的にも精神的にも疲れがなく、エネルギーに満ちた状態で精神が研ぎ澄まされ、隅々まで注意が行きわたる。今この時を味わい、大事なタスクに集中することが可能になる。」

エフォートレスな精神を実現するために必要なのは、次の5つの要素です。

  • INVERT(転回):頑張れば成果が出るとは限らない
  • ENJOY (遊び):「我慢」を「楽しい」に変える
  • RELELASE(解放):頭の中の不用品を手放す
  • REST(休息):「休み」で脳をリセットする
  • NOTICE(集中):今、この瞬間にフォーカスする

頑張りや我慢を良しとせずに楽しんで、休みながら頭の中をすっきりさせて今に集中。そう思うだけでも自分のなかに余裕がでてきそう。

1%のことを大切にするために

もう一つ、この本を読んで得た大きな学びがありました。

グレッグの娘さんが難病を患っていますが、そのような大変な状況のなかでやらないこと、やることをリストにしています。

【やらないこと】

  • 答えの出ない質問をして自分を苦しめない
  • 最悪のケースを想像して思いなやまない
  • 医師が答えを出せなくても不満を言わない
  • 状況を否定したりそんなに悪くないと言い聞かせたりしない
  • 無理に期限を決めない
  • なぜ私達だけがとは言わない
  • 医学雑誌の記事を全てに目を通して分析したりしない
  • 一人で抱え込まない

【やること】

  • 私たちはピアノを囲んで歌った
  • 散歩をした
  • 本を読んだ
  • ゲームをした
  • ポジティブなことに目を向けた
  • 一緒に祈った
  • みんなで夕食をとった
  • お互いに乾杯した
  • おしゃべりをした
  • 顔を見合わせて笑った
  • 今あるものに感謝した

あっ、とショックを受けました。

私の親友がガンだということがわかったとき、私がやったことは「やらないこと」に載っていることばかりだったのです。そして、心をざわつかせていました。

もっと、「やること」にあるような、一緒にいる時間を純粋に楽しむことをしていたらな、と反省しました。なんで、こんな大切なことに気づかなかったんだろう。

「エフォートレス思考」は努力の最小化としてのアプローチ方法だけではなく、根本から生き方を豊かにする「今」にフォーカスする考え方を伝えてくれます。

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